KOSHI'S VOICE
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がんばりましょう
クレヨンで書いた手紙

No. 2009年5月の出来事1

悪魔のささやき

 4月1日から始まったバンクバーオリンピックに向けての本格的なトレーニングは、毎日が悪魔のささやきとの戦いである。
 オリンピックでは、本気で金メダルを狙っている。しかし、今の自分の力量では、メダルには遥か手が届かない。
 手を伸ばしても届かない位置にあるものを手に入れる為には、手に入れようとするものの大きさに比例した犠牲を払わなくてはならない。正直、何を犠牲として払わなくてはならないのか、そして、その大きさをどうやって測ればいいのか解らない。解らないが、本気でメダルを狙うのだから、全てをメダルを獲ることに捧げ何事も必死にやるしかない。

 トレーニングを開始し一ヶ月が過ぎた。当然のことだが、毎日のトレーニングは、甘えや、妥協が一切許されない過酷なものだ。妥協したら、その時点で全ては終わりとなる。やり直しは出来ない。それが私がメダルを獲る為の最低条件でもある。しかし、心の中の悪魔はいつも容赦なくささやき、私を妥協の道に誘惑する。「もうやめろ」、「やめても誰にもわからない」、「休め」、「1回や2回手を抜いても大した問題ではない」、「適当でいいよ」、「もう年なんだから無理するな」、「無駄だ」、「何のためにそんなことをやるんだ」、「お前には、メダルは取れない」等と、ささやき方はその都度違う。トレーニング以外でも、辛いこと、苦しいこと、苦手なことに直面すると悪魔は必ず現れる。この悪魔との戦いは、バンクバーオリンピックの結果が出るまで続くに違いないし、トレーニングが過酷さを増すにしたがってその勢力も増すはずでる。
 経済危機に直面し、明日の生活を確保することに必死になっている人が多いというのに、自分の夢の追求に必死になれ、苦しいだの、辛いだの言えるのは幸せなことだ。こうしたチャンスが今後何度もあるとは思わない。だからこそ、本気で挑戦し、本当にメダルを獲りたい。最後の最後に、天使に微笑でもらえるよう、もっともっと頑張ります。
                    2009年5月7日  越 和宏