No. 2009年2月の出来事1
2010年バンクバーオリンピックプレシーズンイベント
ウィスラー(カナダ)に来て10日が過ぎようとしている。2010年2月に開催されるバンクバーオリンピックでのスケルトン競技会場は、スキーリゾートとして有名なウィスラーにある。気候は、長野に似ているような感じだ。寒いと言っても最低気温が-6℃前後、麓には雪もそれほど多くない。
オリンピックは開催国が有利とされるが、我々の競技も絶対的にそれが言える。ウィスラーに造られたコースは、カナダ選手以外にはオリンピック開催までに数回しか滑走練習が許可されない。その許された一回目の練習が今回の『2010年バンクバーオリンピックプレシーズンイベント』である。
滑走練習は、1月25日から始まりこれまでに5日間で10本の滑走を行なった。コースは、他に例を見ないほど難易度が高い。全長1,450メートル、カーブの数は16個。どのカーブも入り方、出方が悪いとタイムロスにつながり、場合によっては転倒をする。そして、何といってもスピードが速い。最高速度は、時速140キロを超える。スタートしてソリに乗るといきなり急角度で下り始め、次から次へと目の前にカーブが迫ってくる。まばたきをしているうちにゴールしているといっても過言ではない。最終コーナーの16カーブでは、首にかかる重力が最も激しく頭がコースに打ちつけられる。ソリを操る技術、冷静な判断、体力、視力、精神力、用具の完成度等、総合力が必要とされるコースだ。それだけにオリンピックが開催までに何本も滑走練習が出来るカナダチームはものすごく有利と言えるだろう。それとは逆に我々は、少ない滑走練習で難易度の高いコースを攻略しなければならない。毎日頭をフル回転させているお陰でオーバーヒートを起こしそうな感じだ。まさにスケルトン選手としての能力と資質が問われている。
明日(2月2日)からワールドカップウィスラー大会が始まり、ここでの残された滑走は8本となる。滑走練習は勿論だが日常生活を含めた一秒一秒の全てがオリンピックへとつながっている。何を感じ、何を考え、何を想像し、何を実行するか、他人と同じ事をしていては目標とするメダルには到底手が届かない。何かとハンディーの多い私にとって命を賭ける思いで取り組まなければ何も得ることは出来ないだろう。何をとっても楽なことは一つもない。苦しんだ分喜びは大きいと信じ、頑張るだけだ。
頑張ります。
2009年2月1日 ウィスラー(カナダ)より 越 和宏