KOSHI'S VOICE
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がんばりましょう
クレヨンで書いた手紙

No. 2007年5月の出来事

笑顔 やる気

          

  陸上競技場のある運動公園でよく声を掛けていただくご年配の女性との出会いは、昨年の3月中旬、トリノオリンピックが終わり進退を考えていた頃だった。グランドでストレッチをしていた私に「越さんですか、オリンピックお疲れ様でした。応援していました」と、散歩の足を止めて声を掛けていただいたことからであった。品のある言葉遣いとは裏腹に、肩を落として歩く姿に何か元気がないものを感じた。その後も、運動公園でたびたび見掛けるようになり、あるときの女性との会話で、一年前にご主人を亡くし、しばらく家の中でふさぎこんでいた事情をお聞きした。めいる気持ちを何とかしたいとの思いで散歩を始めたと言う。
 春夏秋冬、その後も彼女が散歩する姿を良く見掛けた。
 それから一年以上が過ぎ、昨日も散歩する彼女を見掛けた。友人らしい女性と二人で元気良く歩いていた。私の近くを通り過ぎても、友人との会話に夢中で私がいることに気付く気配がなかった。女性が散歩を終えるころようやく私に気付いた。一年前のどこか元気のない様子は伺えなかった。「お顔が生き生きして見えますね」と言うと、女性は「最近、不思議なことに周りの人から良くそう言われます」と、笑顔で返事が返ってきた。私は女性が、大きな悲しみを乗り越えるために、そして、心の中に空いた大きな穴を埋めるために、散歩を続けることで、めげる気持ちと必死に戦ってきたのだろうと想像した。
 心の中には、弱い自分と強い自分が存在し、何か問題を抱えるとこれらが戦いをして結論を出す。時として、弱い自分と戦うことは辛いことであり、弱い自分に勝つことはもっと辛く、苦しいことである。勝って自信を深めることもあれば、負けて挫折感を味わうこともある。いずれにせよ戦うことのへの意思と勇気を持つことが重要で、そうしたことの連続が勝ち負けに関係なく自分の姿を前向きに変えていってくれるのだと思う。久し振りにお会いした女性の「笑顔」は、それを象徴するものであった。そして、その笑顔は人の気持ちを和ませ、勇気を与えてくれるものだった。感謝!

  タクシーの初乗り代金は、全国的にばらつきはあると思うが、私が住む地域のタクシーの一部が全国一高額な710円となった。先日、料金のことなど何も考えずに、タクシーが並ぶ列の先頭の1台に乗ると、初乗り710円と表示されていた。しばらくして運転手さんに聞いてみた。
私:「初乗り710円になった理由は何ですか?」
運転手:「原油の高騰が一番の理由ですね」
私:「全社が710円ではないので、客離れが進むことはないですか?」
運転手:「たかが、何十円の差でお客さんは離れませんよ」
私:「はぁ、結構強気の商売ですね。それでは、710円になって他社さんとの格差となる充実したサービスは何ですか?」
運転手:「お客さん、いちゃもん付けないでくださいよ!」
 しばらく無言が続いた。あまりにも気分が悪くなったので途中でタクシーを降りることにした。(短気は損だと思っているが、どうしても許せなかった)
 確かにたかが何十円の差かもしれないが、たとえ1円でもお客様からお金をいただくには、それなりの満足を提供しなければならないのが商売の鉄則ではないだろうか。特に、他社に先駆け値上げをするとなればそうした意識をより高め、サービスの向上に努めるのが当たり前だと思う。
 当たり前のことを当たり前のようにする、そんなに難しいことなのだろうか。私の周りには、困難と思われることを当たり前な顔をして平気にこなす人が多い。そして、そうした人達には、自然と人が集まってくる。
 景気は回復傾向にあると言われるが、人々の生活は豊かになっていない。そんな現状においては、財布の紐は固く、当たり前のサービスなら安い方に人は流れるに決まっている。しかし、高額なものにはそれなりの価値と喜びがあることを知らしめたなら財布の紐も緩み、逆に憧れが生まれ、人は寄り付くのではないだろうか。(理想論かもしれないが)
 困難なことを当たり前のようにやっている人達がいる以上、当たり前とされることすらまともにできなければ格差は付くばかりだ。そんなに難しい話ではなく、ようは「やる気」だけの問題だと思うのだが・・・・・。

 

平成19年5月 越 和宏