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がんばりましょう
クレヨンで書いた手紙

No. 2005年9月の出来事

片手押しの成果

          

 9月25日、全日本スケルトンプッシュ選手権がスパイラル(長野市ボブスレー・リュージュ・スケルトン会場)に隣接されたスタートトレーニング場で開催された。
 台風17号の影響が心配されたが、霧状の雨が軽く降る程度で大会に何ら影響がなかった。しかし、2日前には30度を超えていた気温が一挙に15度ぐらいまで下がり、正直慣れない寒さが体にこたえた。
 この大会は、オフトレーニングの成果を試すために年に一度開催されるもので、ただ単にレールの上をスケルトンのソリを押し、50メートル間のタイムを競うものである。 スタート能力の劣る私にとっては一年で最もいやな大会であったが、それは昨年までのことで今年は、3月から本格的に取り組んできた『片手押し』の成果を試すべく自信をもって臨んだ。

 男子25名、女子9名。参加最年長ではなかったにしろ、20歳代が中心であった。
 片手押しの調子は、これまでのトレーニングで好調であることは解っていたが、緊張感の中でその成果を発揮できるか、そして、今抱えている課題を少しでも改善できるかが今回の目的であった。
 国際レースでもなく、緊張するはずがないと思っていたが心臓の鼓動が聞こえるくらいに緊張し、筋肉が硬直するのを感じた。それは恐らく、予想以上のマスメディアの注目と、苦手なことを目の前にして「失敗するのではないか」というマイナスの思いがあったからに違いないだろう。しかし、これこそが私が求めていた状況であり、この状況下でいつも通りのパフォーマンスができることを目的にしていたのである。
 片手押しは、バランスを崩しやすいのは以前にも説明したが、緊張というものがそれを誘発する。これを改善しない限り本当の成果は期待できない。
 今回の成績は、8位であった。タイムは1本目が5秒55、2本目が5秒58。トップとの差はかなりあった。昨年は12位。1本目が5秒75、2本目が5秒79。この結果からも片手押しの調子は良いことが解るが、今日の内容には満足ができない。緊張の中でリラックスをし、力強さを高め、動きの正確さを高める、この究極の走りが1本目は理想に近かったが、2本目はしてはならないミスをたった一回やってしまった。言い訳だが、2本目のスタート直前に風が吹いた、これに気を取られてしまった。ミスの誘発にのってしまったのである。私の片手押しの完成度はこんな簡単なことで崩れてしまう程度であることが証明された。

 10月4日から海外遠征となり、氷上でのトレーニングが始まる。片手押しに加えて滑走技術の完成度を高めていかなくてはならない。考えることは多くなるが、スケルトンはスタートからゴールまでのタイムを競う競技であり、総合的な能力が問われる。 本当の挑戦はこれからであり、片手押しも含め全てにおいて、細部に渡る完成度が要求される。
 トリノオリンピックまで5ヶ月を切った。とにかく頑張るしかない。

平成17年9月 越 和宏